「、なんかイイ事あったのか?」
「恋次、そう見える?」
「顔がにやにやしてて気持ち悪いぞ」
「うるさいなぁ」
実際気分はかなりいい。
昨日は休日で、恋人の白哉と供に過せるからだ。
一緒に過せるのは久ぶりで、そう考えるとドキドキするようなソワソワするような不
思議な感じがする。
とにかく嬉しくて仕方ない。
約束
朝、廊下を歩いていたところ白哉に呼び止められた。
仕事中は同じ隊といえども呼ばれることは極まれにしかないので少々驚きながら白哉
の立っている所まで近づいていく。
「隊長、おはようございます」
「ああ… 明日、非番らしいな」
「そうなんです、久しぶりの非番なんです」
「そうか、それでだな…私も休暇が取れた」
白哉の言葉に目を見開く。
―――隊長が私の為に休暇を取ってくれたって事?…信じられない
「それは、つまり、その… 一緒に過そうってお誘いですか?」
「そんな所だ、嫌か?」
「とんでもないです!あ、じゃぁいつもの所で待ってます」
「わかった、明日の十一時頃に向かう」
こうして会う約束が出来たため、気分が良くて顔がにやけてしまっているのだ。
「明日ね、隊ちょ…ある人と出かけるんだぁ」
「へえ良かったじゃねーか」
「けど、本当に会えるのかなぁ…あの人忙しい人だから」
「大丈夫だろ?」
「だといいんだけど」
どことなく寂しそうな目をして遠くを見つめた。
「てか、相手だれだよ」
「それは教えれませんね」
「なんだそりゃ」
そう言う恋次を後に来たるべき明日に備えて、今日は早めに帰ることにした。
いつも早めに起きて準備をしたのに、時計は約束の時間まですぐそこまで来ている。
早起きしたのに、といいながら急いで家を飛び出した。
待ち合わせ場所は細くて高い塔の下、待ち合わせはいつもここ。
白哉の家との家のほぼ中間地点だからだ。
「よかった、朽木隊長まだ来てないや」
一息つきながら近くのベンチに腰掛ける。
「いつも忙しくて疲れてるから、ゆっくりさせてあげたいな…」
ふふふと笑いながら白哉が来るのを待った。
なのに一向に白哉は姿を現す気配はなく、昼もとっくに過ぎている。
「遅い…」
空を見上げながら小さく呟いた。
との約束の時間より少し前のこと、白哉の元に緊急の任務がやってきた。
六番隊屯所に」つくと恋次も着ていた。
今日に限って…と舌打ちをかんだ。
今から任務に行けばもう約束には到底間に合わない。
「朽木隊長っ、折角の休暇にお呼びしてすいません」
「いや、かまわん。行くぞ恋次」
「はい」
の顔が脳裏によぎり、胸がチクリと痛んだ。
には申し訳ないがこればかりはどうしようもない、そう自分に言い聞かせた。
虚に思いの他時間を食われ、屯所に戻った頃には太陽が地へ沈む夕方だった。
はもう帰っているだろう。
帰りに家に寄って謝らなくては、許してくれるだろうか…
「お疲れ様でした。今夜は冷えるらしいですよ」
「そうか…」
様子が違う白哉に恋次は眉をひそめた。
「何か予定があったんですか?」
「もう時間が時間だ、待ってはいないだろう」
「待ち合わせだったんですか、けど案外まってるものですよ。そう言うのって」
恋次の言葉にはっとする。
もしかしたら…なら待っているかもしれない。
変に律儀で、抜けている所もあるアイツならやりかねない
暗くなり始めた外に飛び出し瞬歩を使い待ち合わせ場所に向かった。
塔の下に着き、辺りを見回すがそこには誰の姿ない。
「やはり…帰ったか」
恋次の言っていた様に外は寒くなっている。
こんな寒い中待っていなくて安心した。
「たいちょ…?」
背中に良く知る声を受けて驚いて振り返る。
「、なぜここにいる!?」
「何でってここで待ち合わせ場所だから…」
駆け寄ってきたは嬉しそうに白哉を見上げた。
「飲み物買おうと思ったんですけど近くになくてっうわっ!」
冷えきったの手を取り両手で握り締めてやる。
待ち合わせ時間から今までずっと待っていたというのか…こんなに寒くなっても。
「ずっと待っていたのか?」
「?… はい?」
怒るでもなく悲しむでもなく、それが普通というような様子で返事をしてくる。
「こんなに冷えるまで待つやつがあるか!」
「ご、ごめんなさい…」
強い口調で言われは下を向いてしまう。
「違う、怒られるべきは私のほうだ」
「そんな事ないですよ、だってこうして来てくれたじゃないですか」
会えただけで十分です。と幸せそうに微笑み、今だ握られている手を握り返した。
の顔はみるみる赤らんでいく。
「すまない…」
「あっ いや、その」
白哉の整った顔でじっと見つめられ、戸惑ってしまう。
そんな端整な顔に見とれていると、吸い込まれる様な気がした。
「…そんなに見るな」
白哉は視線から逃れるように目をそらし、顔をそむけてしまう。
「明日も朝早いんでしょう?もう帰りますか?」
「もう少し」
聞こえるか聞こえないかの声でささやいた。
「え?」
「まだ平気だ」
の顔が明るくなり、白哉の手を引き、
「座りませんか?私色んなこと話したくて、聞きたくて」
「ああ」
それから色々なことを話した。
ほとんどが話していたけれど、白哉もいつもよりずっと色んなことを話してくれて
知らない白哉を見れたみがした。
仕事のこと、友達のこと、いえのこと…ついでに恋次のことも。
気づけば月が高いところまで昇り、辺りは闇に包まれていて近くの電灯だけが二人を
照らしていた。
どこも出かけられなかったけれど、こうして話せただけで今は満足。
*あとがき*
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