梅雨も明け、夏に変わっていく季節がやってきた。

         そんな蒸し暑い今日の気温は真夏のように上がっている。












         ラキラ










         「あつい…ほんま暑いわ」

         「暑いあつい言わないでください、余計暑くなっちゃうじゃないですか」


         ギンの家に呼ばれたは、縁側でくつろいでいるいるギンに文句をいった。


         「せやかて暑いんやもん、ボク暑さだけはアカンねん」

         「それ、冬にも同じような事言ってませんでした?"寒さだけはアカンねん"って」

         「そんなんゆうたかいな? ほんまはボクの事よう覚えとるんやね」

         「もう…」


         うまいこと丸め込まれていつようで不満だったが、口でギンに勝った試しがない。

         それ以上は言わない方が得策だと最近になってやっと悟った。


         「はい、どうぞ」


         台所から汲んてきた氷の入った冷たいお茶をギンに渡し、も隣に座る。


         「ありがとう」

         「こう暑いと喉も渇きますもんね」


         コップを受けとると一気に飲み干していく。

         よっぽど喉が渇いていたのだろうか、そんなギンに微笑んだ。


         「はぁ……ごちそうさん」


         お盆の上にコップを返せば、中の氷がカランとぶつかり合った。

         するともぞもぞと動きはじめ、の太腿の上に頭を乗せてくる。


         「市丸隊長、暑いんじゃなかったんですか?」

         「市丸やのうてギ・ン。 それにしてもの太腿は気持ちええわ」

         「ひゃっ」


         太腿を撫ぜられ背筋がゾワっと震え、変な声が出てしまった。


         「色気ない声やなぁ」

         「市…ギン隊長がいきなり撫ぜるからっ」

         「隊長はいらんねんけど、まぁええか」


         ギンの手の甲を抓り、膝の上から手をどけさせる。

         それから何を話すわけでもなくぼんやり外を眺め、時折風に吹かれて鳴る一年中吊

         り下げられている風鈴の可愛らしい音に癒された。

         膝の上でさっきまで一人でぶつぶつと文句を言ったり、あついあついと言っていた

         ギンは何時の間にか静になっている。


         「ギン…隊長、寝てるんですか?」


         呼んでも返事が返ってこない。

         顔を覗けば寝顔と出くわし、そんな寝顔に顔をほころばせた。

         起きないのをいい事にギンの銀色をした髪に指を絡ませれば、さらさらと指から零

         れ落ちてゆく。

         色素の薄い髪は太陽に当たると透けるように輝いた。


         「キラキラしてる…キレ―…」


         輝くところをもっと見たくて、猫毛でさらさらな髪を何度も繰り返し指に絡ませ零

         していく。


         「くすぐったい…」

         「あ、おこしちゃいました?ごめんなさい」


         ギンが目覚めても尚触ることをやめないに視線を向ける。


         「男の毛なんて触ってもしゃーないやろ」

         「そんなことないですよ、ギン隊長の毛ってさらさらだしキラキラしてるし、すご

          く気持ちいいんです」


         指に絡めるのを止め、今度は子どもをあやす様によしよしと撫ぜ始めた。

         男の人の髪の毛をこんなに好きだと思ったのは初めてだ。


         「そんなにええん、この髪?」

         「はい、気持ちいいです」

         「気持ちいいねェ」

         「 ? 」


         すると、不意にの手を掴み、髪の毛をいじる手を止めさせる。

         もう一方の手をの頬に寄せ、優しく包み込む。

         見降ろしてくるは不思議そうに首を傾けた。


         「もっとキモチイことせえへん?」

         「もっと…キモチイとこ…?」


         始めは何のことか理解できていない様子だったが、しばらくして何の事が気づけば

         顔を一気に赤く染めた。


         「そう、キモチイことやで。つまり今からボクとエッ」

         「ああっ!分かりましたからっ それ以上言わなくていいですからっ!」


         その行為の名を口にしようとしたギンの口を慌てて塞いだ。

         しかし、口を塞いだギンの顔を見てはっとした。



         ―――― しまった…遊ばれてるっ!!



         気づいた頃にはもう遅く、の両手は呆気なくギンによって自由を奪われてしまった。

         膝枕をしたままの体勢で真下から見上げてくるギンと目が合い、恥ずかしさに目が泳

         いでしまう。

         そんなに意地悪い笑みを浮かべた。


         「そんなかわええ反応しとったらヒーヒー言わせんで」

         「なっ、何言ってるんですか?!」


         耳まで赤くするの手にちゅっと口付ける。


         「はなして下さ…」

         「嫌とは言わせへんで、の気持ちいいことナンボでもボクにして来たんやから今度

          ボクの番や」

         「っ…それとコレとは話が、 別です」


         手を振り解こうと足掻いてみても、の力で隊長のギンから逃れることはできない。


         「耳まで真っ赤にして…そんなに恥ずかしい?」

         「それは…」

         「下から見るんもええなぁ、今日は上に乗ってもらいたァなってきた」

         「や、です」




         その顔を快楽に溺れさせて何も考えられないぐらいめちゃくちゃにしたら、どんな

         いい表情をしてくれるのだろうか?

         そんな鬼畜じみたことを考えると楽しくて仕方なかった。








        

















         *あとがき*
         無謀にも黒ギン第2弾…
         おかしい、最初は膝枕しててギンちゃんの髪が
         綺麗っていうほのぼのラブって設定だったのに…。
         微エロ落ち…つづきかけたらupしたい(裏に)。