どうしてこんな事になってしなっているんだろう…。

        なんで、どうなってこんな事態になっているのか。

        心臓がどくどくと波打つ。

        顔も耳も湯気が出てるんじゃないかって程熱い。

        包み込んでくるぬくもりにどう対処していいか分からない。

        ただ何も言えずに目を瞑っているしかなかった。









        「待て……待たぬか……」


        呼び止められても止まるつもりなんて無かったはずなのに、名前を呼ばれれば術を

        掛けられたようにピタリと足は止まってしまった。

        もう……恥ずかしい。

        白哉と出会ってら、逃げてばかりな気がする。


        「逃げてばかりだな…」

        「あ、はい…ごめんなさい…」

        「謝らなくてもよい」

        「はい…でも…ッ?!」


        腕を引かれたかと思うと、ふわっと体が宙に浮いた。

        白哉の腕に持ち上げ担がれるような格好になる。


        「きゃっ!び、白哉様?!」

        「うるさい」

        「降ろしてください、お願いですから」

        「降ろしてしまえば、また逃げてしまうだろ」

        「ぅ……。」


        そういわれは口を噤み静かになった。

        しばらく無言のまま歩き、白哉の部屋の前までくると部屋の中に押し込められた。


        「あ…の…。」

        「…」


        名前を呼ば、床に降ろされると同時に視界がグラッと揺れ、腕のかなに閉じ込められた。

        強く、優しく抱きしめられ


        「あ…」


        どうしてこんな事になってしなっているんだろう…。

        なんで、どうなって白哉に抱きしめられるなんて事態になっているのか。

        心臓がどくどくと波打つ。

        顔も耳も湯気が出てるんじゃないかって程熱い。

        包み込んでくるぬくもりにどう対処していいか分からない。

        ただ何も言えずに目を瞑っているしかなかった。

        しばらくの間抱きしめられ、すると少し身体を離しの顔を覗き込んでくる。

        真っ直ぐにを射抜く目。


        「……ッ」


        いつになく真剣な眼差し。

        段々と白哉の顔が近づいてくるが分かり、溜まらず視線を逸らしうつむく。


        「ゃ……」

        「…」


        目を堅く閉じ、恥ずかしくて両腕で顔を隠す。

        しかし、それは白哉によってあっけなく退かされてしまった。


        「……フ」

        「な、に…?」

        「私が怖いか?」

        「……わ、からないです」


        すると身体は完全に離れていった。

        そして大きな綺麗な手がの髪の毛をぐしゃぐしゃと掻きまわした。


        「…ゎっ」

        「そう怯えるな、もう何もせぬ」

        「ぇ?」


        そっと白哉を見上げた瞬間、頬に暖かく柔らかい感触が降ってきた。

        声を上げることも忘れ、だた白哉の顔を見上げれば


        「すまぬ」


        もう一度の頭を撫ぜた。


        「ぅ…何もしないって言ったのに…」

        「だから"すまぬ"といっただろう?」


        触れられた頬がいつまでも熱く、触れればやけどしてしまいそうだった。








        

















       *あとがき*
        何か展開させてみる。